立派な講演を思い出します。 | ハーベストホーム株式会社

立派な講演を思い出します。

台湾の「李登輝」元総統が先月お亡くなりになりましたが、生前に講演を聞いたことがあります。

2007年に国際教養大に当時の中嶋峰雄学長との縁で来られ、「日本の教育と私 日本の皆様へ」と題する講演でした。83歳とは思えない元気さで、1923年に日本の統治下に台湾人として生まれた悲哀を持ちつつも、22歳までは日本の徹底した基本教育、戦後4年受けた中国の大学教育とアメリカ4年間の留学・・という生涯の中で多種多様な教育を受けたことを中心の内容でした。

京都大学で学ぶなど、日本を愛する気持ちはとても強いようで、今でも忘れずにその講演の日のことを鮮明に記憶しているのは、大柄で品のあるその立ち姿と、ひとつの国を代表する威厳とその風格に圧倒されたからだと思います。

実はその日に講演を聞きに行ったのには訳があって、私は一時期、マンションの勉強に頻繁に台北を訪問していました。その際に現地でお世話になった方が通訳で同行してくる…と連絡があったからです。ご病気で他界されましたが、その方は台北とバンコクで旅行社を経営していて、日本語が完ぺきな方でした。

   

飲茶を食べながら、なんでそんなに日本語が堪能なのか聞いたことがあります。その時の返答は・・・
実家が台北市内で小さなクリーニング店を営んでいて、生活は厳しいものだったのですが、ある夜に、近くのホテルに泊まっている日本人が、「お金はいくらでも払うから、明日の朝までにこの服をクリーニングしてくれないか」…と飛び込んできたのを見て、金持ちの日本人相手の商売をすれば食べていける!・・と思いつき必死になって日本語の勉強をしたとのことでした。

人柄もよく、こちらが恐縮するくらい数多くのマンションの見学をセッティングしてくれたり、すべて無報酬で付き合ってくれるのです。私は彼の笑顔を今でも忘れることはありません。

台北にはそんなこんなで何度も行っていますが、親日的な雰囲気や、食べ物の美味しさなど、魅力がいっぱいです。
また海外に行けるようになったら、ハワイの次に訪れてみたい国です。